はじめに
カメレオンをペットとして迎え入れたい方の中には
- 「カメレオンってどこで買えるの?」
- 「調子の良いカメレオンはどんな子?」
- 「安全に家まで連れて帰れる方法は?」
など色々と気になったり悩んだりするところがあると思います。
カメレオンを扱っているところや調子の良し悪し、ちょっと気になる部分についても盛り込んでみましたので、是非参考にしていただければと思います。
1.カメレオンってどこに行けばお迎えできるの?お迎えできる所について!
見かける機会も増えてきたカメレオン。
購入できる場所も増えてきました。
①総合ペットショップ
最近ではカメレオンを扱うペットショップも少しずつ増えてきています。
また、爬虫類にも力を入れている総合ペットショップの場合は、ジャクソンカメレオンやエリオットカメレオン等の珍しい種類も取り扱っていることがあるので、お店のブログを見て入荷情報を確認するのがオススメです。
②爬虫・両生類の専門店
爬虫類の専門店であればほぼ確実にカメレオンを取り扱っているので迎え入れることができます。
頭数や種類も充実しているため、飼いたい種類も見つけやすいです。
ただ、飼いたい種類が常に見られる種類ではない場合があるので、お店のブログやTwitter等で入荷情報を確認したり、実際にお店に問い合わせると良いでしょう。
③カメレオンの専門店
数ある爬虫類専門店の中でもカメレオンに特化したお店であれば、
取り扱われている生体の数や種類も大きく変わります。
中には爬虫類専門店で見かけなかった種類がいるという事もあります。さらに、パンサーカメレオンのように生息していた地域によってバリエーションがある種類も販売されていたりします。
店員さんに質問すれば、カメレオンの飼育環境や与えていた餌、使っている器具についても教えてくれるので、初めてカメレオンを飼育したい方にも安心です。
④イベント
最近では各地でペットの即売会のイベントが行われる事もあり、爬虫類等のコンパニオンアニマルに特化したイベントもあります。
専門店が集まるだけでなく、ブリーダーが出店していることもあるため安心してお迎えができます。特にブリーダーから購入する場合は、質問すれば迎える個体のクセや飼育環境について教えてくれるので非常にありがたいです。
また、このようなイベント会場には多くのお店が出店しているため、それぞれのお店の個体を見たり商品を購入することができます。
2.どんな子を選ぶべき?
最近は輸入状態も大分改善されており、お店の努力もあって体調がすこぶる悪い個体は殆ど見なくなりました。
しかし、迎え入れるならお気に入りかつ元気いっぱいのカメレオンを選びたいはずです。
①枝にしっかり掴まっているか?
カメレオンは殆どの種類が樹上生活者であり、握力が非常に発達しています。
そんなカメレオンが力無く枝の上にいたり、地上でうずくまっている場合はかなり弱っている事が殆どなので、購入はしないようにしましょう。
②体に古い皮が残っていないか(脱皮不全)
たまに生体の体を見ると、剥け切れずカピカピになっている古い皮が残っていることがあります。
カメレオンの体の部分で意外と見落としやすいのが四肢の指先や種類によって見られる背中や喉、腹側にあるクレストです。よく見るとその部分が色ボケしていたり、皮の一部がピロピロしていたりします。
温浴ができれば古い皮をふやかして除去する事もできますが、
あまりにも広い範囲で脱皮不全が起きている個体の購入は見送った方が無難です。
③痩せていないか?
最近ではあまり見かけませんが、痩せて骨が浮き出ている個体がいる場合もあります。
このような個体は病気だったり餌を食べられない程弱っている可能性もあります。
尚、体調を崩しているカメレオンの立ち上げは難しいので、痩せている個体は選ばないようにしましょう。
④目がくぼんでいないか?
カメレオンは体色でも状態を教えてくれますが、目でも健康状態を教えてくれます。
目をパチクリと開けてしっかり動かしている個体は基本的に元気いっぱいです。
逆に目を閉じている時間が長かったり、目が極端くぼんでいるような個体は目に異常があったり脱水状態、病気等も考えられるため気を付けましょう。
⑤ちゃんと捕食できるか?
長い舌で餌を捕らえるカメレオンですが、お腹が空いているはずなのに全く餌に見向きもしない個体がいることもあります。
その場合は口や舌にケガをしていたり、
病気になっている可能性があるため注意が必要です。
餌食いや捕食行動について気になる場合は、店員さんにその個体の餌食い状態について聞くとすぐに解決します。
⑥四肢や口先に傷がないか?
これも最近ではあまり見かけませんが、無いわけではありません。
口先や四肢のケガから細菌が入って病気になる事もあるので注意が必要です。
しかし、後述する「WC」の場合は自然から来ているため、爪が欠けていたり体に傷がある事もあります。ブリード個体でもちょっとした傷が付いている事もありますが、大きなケガでない限りはあまり心配しなくても良いでしょう。
⑦体色がクリーム色っぽくないか?
もう殆ど見ない例ですが、参考までにご紹介いたします。
この「クリーム色っぽい」体色というのは、カメレオンが「死の間際に見せる体色」の場合があります。
本当にすこぶる体調が悪い個体が見せる色なので、
この発色で力無く地上や枝の上にいる個体は選ばないようにしてください。
・番外編!何かド派手な体色の個体がいる!
カメレオンの中には何処ぞの派手好きな柱が好きそうな「ド派手」な体色をしている事があります。
黒地に複雑な模様が浮かぶこともあり、
その美しさが気になって仕方無いということもあると思います。
これはカメレオンの「婚姻色」「妊娠色」である事が多く、店員さんに確認してもらいましょう。
「妊娠色」の場合は文字通り、その個体が「妊娠」している事を示しているため、迎え入れた後に出産、あるいは産卵をします。繁殖を視野にいれていない場合は選ばないようにしましょう。
Q&A
Q.寄生虫っていないの?
A. いないとは言いきれません。
ペットを飼育する上でよく耳にするのが寄生虫問題です。
もちろんカメレオンも例外ではありませんが、野生個体と聞いただけで糾弾する方も少数ながらいるのが現状です。
野生下では「共生」関係にある寄生虫は、宿主となっている個体が瀕死状態であったりしない限りは悪さをすることは少ないです。しかし、どうしても気になる、駆虫したいという方は爬虫類も診てくれる動物病院で検査、駆虫薬を処方してもらいましょう。
ちなみにCB個体(後述します)は寄生虫の心配がないと言われていますが、与えている餌の中に寄生虫がいる場合もあり、そこから寄生される事もあるようです。もし、便の中に血や謎の糸屑状の生物らしき物が見つかった場合は動物病院に連れて行きましょう。
たまに寄生された個体を見かける事もありますが、毛がない分見つけやすく対処も処方箋以外で対処がしやすいので犬猫程気を遣う必要がないような気がします。
3.WCとCBの違いは?
「いざカメレオンを迎え入れるぞ!」という時に流通名の横にある「WC」「CB」の文字が気になる方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
この「WC」「CB」という文字は、そのカメレオンが「野生採取個体」か「繁殖個体」かを表しています。お店によっては「CB」ではなく「ブリード」と書かれている事もあります。
①「WC(野生採取個体)」の特徴
マダガスカルやケニア等の大自然からはるばる日本にやって来るWC。
単にワイルド個体、野生採取個体と呼ばれる事もあります。
種類によっては多少気を遣いますが、大自然で生き抜いてきた彼らは想像以上にガッツがあります。
そんなWCの特徴です。
・野生仕込みの根性でタフ!
野生の個体は厳しい生存競争で生き延び、自然の猛威にも適応してきたたくましさがあります。
そのため生命力も強く、飼育下での急なストレスや環境の変化等があっても、野生で培った根性で乗り越える傾向があります。
・肝が座っているので環境に馴染みやすい!
野生の様々な試練を生き延びてきたカメレオンは、飼育ケージに入れられた直後は多少緊張はするものの、その後飼い主の心配をよそにすんなりと慣れる傾向があります。
Q&A
Q.野生個体の方が気難しいという話もあるけど?
A. 高山種等の神経質な種類だと少し気を遣います。
根性のある野生個体ですが、高山種や元々神経質な種類のカメレオンの場合は、飼育環境が生息環境を再現できていないと多少苦戦する部分があります。
しかし、飼育環境が生息環境の温度や湿度、風通し等を再現できていれば高山種やデリケートな種類でも慣れてくれます。飼育を始める前に生息環境について調べたり、迎え入れる際に店員さんに聞いてみると飼育の参考にでき、より良い環境で飼育を始められます。
・入荷が不定期
野生個体は流通しやすい種類は確かにいるのですが、基本的に輸入やショップへの入荷は不定期です。
②「CB(ブリード個体)」について
カメレオンは独特の見た目や生態、色彩で世界中で人気のある爬虫類の1つです。
そのため世界各地で繁殖されており、そのブリード個体が日本にやって来ます。
もちろん日本で誕生した「国内CB」「国内ブリード」の個体もいます。
・生まれた時から飼育下にいるので飼育環境に慣れやすい!
CB個体の強みの1つとも言えるのが「飼育環境への慣れ」です。
WC個体であれば「飼育管理される事」に慣れるまでに時間を要する場合があります。
しかし、生まれた時から飼育下にいるCB個体にとってはそれが普通なので、相当酷い飼育環境でなければ特に戸惑うことなく過ごしてくれます。
・飼育にコツが要る高山種やデリケートな種類も飼育しやすい!
ジャクソンカメレオンやヤマカメレオン等の高山種やデリケートな種類もCB個体であればかなり飼育しやすくなる傾向があります。
・飼育環境の急変に弱い面が…!
CB個体はWC個体と比べて飼育環境の変化やアクシデントに弱い傾向があります。
これは自然を常に相手にしてきたWC個体とは違い、
常に最適な環境で飼育されてきたという理由があります。
そのため触れられたり急に温度や湿度が上がったりすると体調を崩しやすくなってしまうため、飼育環境が急変しないように配慮が必要です。
4.ご自宅への移動方法について
お店で好みのカメレオンを購入できて気分も上々!
カメレオンライフに妄想が膨らむ中、気を付けなければならないのが「家までの帰路」です。これを怠ると迎え入れたカメレオンが短命に終わってしまう可能性があります。
ポイント1.寄り道はしない事!
カメレオンに限ったことではありませんが、基本的に小さなパックに入れられた状態の生体を移動させているということを忘れてはいけません。
狭く暗い箱の中でストレスを受けているので、あまり寄り道をしているとカメレオンがストレスで疲弊してしまったり、飼い主側も立ち上げにかなり苦戦を強いられてしまいます。
ポイント2.絶対に車内に放置しない事!
コレ、爬虫類の移動中に多い事故です。
特に夏場に多く、購入した生体を車内に放置したまま食事や買い物に行ってしまい、戻った頃には熱中症で亡くなっていた・・というパターンです。
夏の閉めきった車内は人間ですら死んでしまうのに、人間よりも小さなペット達がそんな中に放置されたらどうなるかなんてすぐに分かります。
体が小さい分体温が上がるのも早いため、ほんの数十分放置しただけでも危険な状態に陥ってしまいます。
車であればエアコンを効かせたり、冷たいペットボトルを生体の近くにおいて温度が上がり過ぎないようにしましょう。
また、冬の場合はお店もホッカイロを入れてくれる事もあり、ある程度の寒さに耐える事ができます。しかし、エアコンを切った車内で放置されればたちまち体温が下がり、弱ってしまうこともあるので注意してください。
購入したその瞬間から、そのカメレオンは貴方の大切な「家族」の一員です。頼れるのも貴方だけなので、しっかりと命を預かっているという責任を持ってご自宅まで連れ帰りましょう。
5.自宅に迎え入れたら?
自宅に迎え入れたら気分は最高!
待ちに待ったカメレオンライフです。
①パックから出そう!
まずは生体が入っているパックを確認、開封しましょう。
暗い中だったので寝ていることもありますが、弱っている等の問題がなければ移動方法にも特に問題がなかった証です。
②用意したケージの中にカメレオンを移動させよう!
次に用意していたケージの中にカメレオンを移動させます。
これは飼育者にもよりますが、手に乗せて移動させたり、パックやパックの中のペーパー等にに掴まった状態のカメレオンをケージ内の止まり木に近付けて自分から移動させる方法があります。
種類や個体によってはかなりアクティブなので、その個体に合わせて移動させましょう。
③様子を見よう!
ガン見するのではなく、こっそりと様子を見る感じです。
新しい環境にやってきたカメレオンは環境に慣れるまで少々時間がかかったり、中には体調を崩してしまう事もあります。飼い主側は心配のあまりパニックにならないようにし、あくまで冷静に向き合い、対処していきます。
餌にも興味を持つようであれば餌も与えます。
餌を食べない場合は早めにライトを消して、カメレオンを休ませてあげましょう。
④ライトの位置や距離を調整、確認しよう!
ケージ内にカメレオンを入れたら意外とライトの距離が近かったり、向きも傾き過ぎていたということもあります。それらが確認できたらしっかりと距離や向き、位置等を調整しましょう。
Q&A
Q.来たばかりのカメレオンに水や餌を与えるのは何故?
A.移動のケアと、ケージ内は安心して過ごせることを認識してもらうためです。
犬や猫等のペットだと移動中でも餌をあげれたり水を飲ませることもできますが、カメレオンはそれがかなり難しい種類です。
水もスポイトでポタポタと垂らして動きを付けなければ飲みませんし、パックも一度開ければ2度と閉まらない仕様であることも多いので餌やりもできません。
これらの理由から、カメレオンは家に着くまでパックの中なので、かなりのストレスを感じています。ケージに移した後も新しい環境なので不安がいっぱいなのです。
そんな緊張している彼らを落ち着かせるために、ケージに移動してからは水や餌を与えます。移動中に喉が渇いた個体はすぐに水を飲みますし、お腹が減っていれば餌も食べてくれます。
「分からない場所だけど餌も水もあるし、安全かも。」
とカメレオンが認知してくれれば次第に落ち着いていきますので、そのためにも必要な事です。
魚の場合は導入直後の餌やりや水換えは推奨されませんが、爬虫類は魚とは違う生き物ですので、その辺りはあまり神経質にならなくても良いと思います。
まとめ
カメレオンを入手できるお店やイベントが増えたのはとてもありがたいことですし、お気に入りの種類や憧れの種類を手に入れられる機会が増えたのも素晴らしいことだと思います。
また、新しい家族の一員として迎え入れたカメレオンをご自宅に移動させる際に悲惨な状態になることを防ぐためにも、移動の注意や導入方法等についても執筆させていただきました。
カメレオンは気難しいと言われる事も多い生き物ですが、しっかりケアし、気遣ってあげられればどんな種類や出身でも飼育できると思います。