部屋の中やベランダをのんびりお散歩したり、ハンドリングされたりと大切に飼育されているカメレオン達。
種類によってはかなり動き回るので見ていて飽きませんし、何より可愛らしい姿は癒しとなります。
しかし、穏やかに生活していたのに身近な要因によってカメレオンが怪我をしてしまう事があります。
1,どうしてこんな事に!?カメレオンの行動!
まずはカメレオンの行動についてですが、彼らは種類によって活発に動き回る種類だったり、ゆっくりとしてあまり動かない種類もいます。
また、カメレオンは掴めそうな物は何でも掴んでしまいますし、高い場所に行けそうであれば、そちらに向かって移動する事が多いのでこれも盲点になってしまう事があります。
2,カメレオンの怪我の原因になるものについて
これらの要因は完全に無くす事は難しいですが、対処しようがないという事ではありませんので、部屋んぽや日光浴、ケージのレイアウトをする時に、このあたりも考慮しておくと怪我の可能性を抑制しやすくなります。
①ライト
ケージ内の保温や紫外線の供給に必須の飼育アイテムでもある「ライト」もカメレオンの怪我の原因になってしまう事があります。
これはカメレオンのケージとライトの距離が近すぎたり、ケージから手や尻尾を出せる状態だったりすると掴んだり巻き付けてしまった時に怪我をする原因になってしまいます。
■ライトが近すぎると目にもダメージが!
カメレオンに限らずほとんどの爬虫類飼育の必須アイテムとなっているライトですが、設置の距離が近すぎると様々な悪影響が出てしまう事があります。
怪我ももちろんですが、カメレオンの場合はライトの紫外線や熱などで目にダメージを負って炎症を起こしてしまい、目が腫れたり開かなくなってしまい非常に危険な状態になってしまう事も少なくありません。
②外での日光浴
カメレオン愛好家の方々の中には窓を網戸にして日光浴をさせる他にも、干物網にカメレオンを入れて外で日光浴をさせる方もいらっしゃいます。
この方法自体は何でもありませんが、外で日光浴をさせているとカラスや野良猫といったカメレオンの外敵が狙ってくる事もあります。
■野生動物ではない脅威も!
カメレオンやモニターなどの爬虫類はだんだんとペットとして認知されるようになってきましたが、一般的にはまだまだ理解が浅い動物です。
そのため中には珍しさや苦手意識からイタズラをする人も少なくありません。
飼育されていると分かっていて石を投げつけてくる人や、わざわざ勝手に敷地に入ってきてまでイタズラをしようとする人も年齢性別問わずいるので、外に連れ出す時は十分注意しましょう。
最近はイタズラしてもシラを切る人もいるため、家庭用監視カメラを取り付けたり、外で日光浴をする時にスマホなどで撮影しておくと証拠になるので気になる方は参考にしてみてください。
また、人間にされるイタズラは野良猫やカラスがやる捕獲行動とは違い、どんな形であれ悪意が潜んでいます。
③同居中の別の動物
カメレオンだけでなく、犬や猫、フェレットといった他の動物を飼育している方もいらっしゃるかと思います。
④同居中の他のカメレオン
カメレオンの中にはエリオットカメレオンやヒメカメレオンのように協調性がある種類もいますが、基本的には縄張り意識が強く、同種または同種のオス個体で激しく争う事があります。
個体の性格や力量差によっては片方が場所や道を譲って事なきを得る事もありますが、そうなるまではかなり肝が冷えます。
⑤柔らかタオル、カーペット
カメレオンが部屋んぽをしていると、たまに干してあるタオルや敷いてあるカーペットなどに行く事があります。
この時タオルやカーペットの繊維がループ状の物だとカメレオンの爪が引っ掛かってしまい、そこから動けなくなってしまったり暴れて怪我をしてしまう可能性があります。
⑥不安定な設置をされたロープや物干し竿
カメレオンは高所を好むので、部屋の上部にロープを張ったり物干し竿など固定してカメレオンの遊び場にする方もたくさんいらっしゃいます。
⑦扇風機やサーキュレーター
カメレオンの飼育では通気性を確保するため飼育部屋に扇風機やサーキュレーターを使う場合もあります。
⑧コンセント
そうそうカメレオンがイタズラする事はありませんが、触れてしまうと感電の危険性があるので可能であれば掴めないように隠したり、コンセントに続く道を作らないようにしましょう。
⑨ドア
ドアも気を付けていないとカメレオンの怪我の原因となってしまいます。
■ドアやタオル、コンセントは怪我に繋がりやすい!?
カメレオンの怪我の原因にもなりやすいドアやタオル、コンセントですが、実は他の動物達の怪我や事故の原因になる事があります。
特にハムスターやモルモットは自由に部屋をさせているとタオルやカーテンに爪が引っ掛かって怪我をしてしまったりドアに挟まれてしまう事もあります。
⑩人工ツタ、固定金具
レイアウトの強い味方でもある人工ツタや固定金具も場合によっては怪我の原因になってしまう事があります。
3,カメレオンの怪我の種類について
怪我の原因になる事や物について大体分かったところで、次は怪我の種類についてご紹介させていただきます。
①咬傷
別のカメレオンや同居しているペット、乱入してきた野生動物によって発生する怪我です。
噛みつかれた事によりキッチリ歯形が残っていたり、出血してしまう事もあります。
②引っ掻き傷
人工ツタから飛び出した針金が引っ掛かってしまったり、同居しているペットに引っ掻かれて発生する怪我です。
猫などであれば引っ掻き傷どころか裂傷に繋がりかねません。
ウスタレカメレオンやパーソンカメレオンのように大型で握力も桁外れな種類だと掴んだだけで傷付けてしまう事も少なくありません。
③火傷
ライトや人の飲み物に触れてしまう事で発生する怪我です。
カメレオン飼育では意外と多い怪我で、主にライトが近すぎたりカメレオンがライトに近付きすぎて触ったりする事が主な発生原因です。
極稀にホットドリンクを飲んでいたらカメレオンが熱々のカップに触れてしまって火傷したという事例もあります。
火傷の度合いにもよりますが、水膨れになってしまったり体表の一部が黒くなる、体表が焼けて皮が剥がれてしまったなど痛々しいです。
④打撲、骨折
高所から落ちてしまったりドアに挟まれたりイタズラされたりして発生する事が多い怪我です。稀に咬まれた事で骨折する事もあります。
これらの怪我は患部が腫れたり変色する他にもカメレオンが動けない、または動きや患部に違和感があるなど発見しやすいです。
4,怪我をしてしまった時の応急処置について
爬虫類を診てくれる動物病院が増えてきているとはいえ、その数はまだまだ少ないので場合によっては遠く離れた場所まで行かなければならない事も少なくありません。
また、こういった怪我はほぼ事故なので、すぐに移動できるかと言えば、時間などの都合で難しい事だってあります。
①止血
咬傷や引っ掻き傷によって出血がある場合は清潔なガーゼや綿棒などで押さえたり、それでも出血が止まらない場合は市販の止血剤を使って止血します。
止血をする時はカメレオンの状態にもよりますが、元気いっぱいで興奮している場合は咬まれても大ダメージを受けないように皮手袋をしながら行うと安全です。
②消毒
止血ができたら市販の消毒液で消毒します。
③移動させる
打撲や骨折により患部が腫れている場合は止まり木は設置しておくもののアップダウンが激しくないケージに移動させて患部への負担を避けます。
④給水
怪我をしたカメレオンは痛みから水を飲むのが億劫になってしまう事があるので、スポイトや給水ボトルで口先に水を垂らして飲ませるようにしましょう。
⑤給餌
こちらも水と同じように怪我の痛みから餌を獲らなくなってしまう事があります。
5,動物病院に連れていく時の注意点について
怪我をしたカメレオンをやっと動物病院に連れていける手筈が整ったら慌てず落ち着いて連れていきます。
動物病院では電話口ですでにカメレオンや怪我の状態などについて説明しているかもしれませんが、確認などでもう一度聞かれた時のためにしっかり答えられるようにしましょう。
また、車で移動する時は不安で仕方ないかも知れませんが、落ち着いて運転をしましょう。
不安のあまり運転が雑になってしまうと振動でカメレオンに余計なストレスを与えてしまうだけでなく、誤って事故を起こしてしまう場合もあります。
6,怪我をさせないためのポイントについて
怪我は不注意による事故が原因で起こるため、怪我をさせないためには飼い主側がその子の個性を理解し、怪我の原因になるものに敏感になる必要があります。
①日光浴中、部屋んぽ中は目を離さない事!
ケージから出している間はとにかく目を離さない、簡単ですがとても重要なポイントです。
少し目を離してしまった隙に姿をくらましてしまったりドアの死角に移動したりするので、ちゃんと見ていれば危険ポイントに近付いた時にカメレオンを安全なポイントに移動させる事ができます。
また、外で干物網カゴを使って日光浴させていても、しっかり見張っていればカラスや野良猫は積極的にカメレオンを襲おうとはしなくなりますし、イタズラをするような輩も相当特殊な考え方の人でなければ飼い主が見ている前でそのような行動は取れないはずです。
②ライトの出力や距離を考える!
飼育必須アイテムでもあるライトですが、距離や出力を見直すだけでも怪我をする可能性をかなり抑える事ができます。
特に紫外線ライトは「2.0」くらいの弱めのものでも効果があります。
③部屋んぽ中はサーキュレーターや扇風機は控える事!
巻き込まれて事故による怪我を防止するためには部屋んぽ中は扇風機やサーキュレーターの電源を切っておきましょう。
また、通気性を確保するならエアコンやファンがないタイプの扇風機などもオススメです。
④部屋んぽ中は順番に行い、他のペットは関わらせないようにする事!
カメレオンは飼育している子の性格や力量差などによっては複数匹で部屋んぽできる場合もあります。
しかし、それまではケンカしないとは言い切れませんし基本的には縄張り意識が強いので、部屋んぽは順番にさせてあげるのがオススメです。
また、犬や猫などのペットもいる場合は、カメレオンの部屋んぽ中は中に入れないようにします。
⑤爪が引っ掛かりそうな物は極力隠す事!
タオルを干していると興味を持って掴みに行く事もありますし、コンセントに道が繋がっていればそちらに移動する事もあります。
⑥高所の遊び場はしっかり固定する事!
高所の遊び場はカメレオンにとっても嬉しい場所です。
怪我無く安全に遊んでもらうためにも、ロープや物干し竿などはしっかり固定して外れないようにしましょう。
⑦尖った物はテープや布で巻いたり、削ったりしてカメレオンに刺さらないようにしよう!
ケージのレイアウトで使う人工ツタや固定のための金具から針金が飛び出してしまう事があります。
まとめ
今回は身近に潜むカメレオンの怪我の原因や怪我の種類などについて皆様にご紹介させていただきました。
部屋んぽや日光浴をしているカメレオンはとっても可愛いですし、楽しいカメレオンライフが怪我によって変わってしまうのは避けたいものです。