ヒルヤモリの飼い方・育て方
パンサーカメレオンやカーペットカメレオン、パーソンカメレオンなどの様々なカメレオン達の故郷『マダガスカル共和国』。
この島国の森林や民家の生け垣、低木林などでカメレオン達がのびのびと生活をしています。
中にはネコの代わりに害獣であるネズミを退治してくれる事から国民に重宝されている種類のカメレオンもいます。
その爬虫類の名前は『ヒルヤモリ』。
マダガスカルを代表する爬虫類の1種であり、名前の通り昼間に活動するヤモリの仲間です。
1,ヒルヤモリってどんなヤモリ?ヤモリらしからぬ特徴について!
①ヒルヤモリの分類と眼について
ヒルヤモリは「ヤモリ科ヤモリ亜科ヒルヤモリ属」に分類されているヤモリの仲間です。
しかし、私達が普段目にする、あるいはペットショップなどで見かけるヤモリの姿とは一線を画する見た目と特徴に溢れた種類のため、初見の方は「ヤモリっぽいトカゲか何か」と思ってしまうほどの衝撃を受けるかも知れません。
まずは、ヒルヤモリの『眼』です。
ヒルヤモリの眼は頭との大きさとの比率が他のヤモリより少ないため眼がギョロッとしておらず、程よいサイズ感でクリクリした眼を持っています。
⭐ヒルヤモリの眼が黒目がちな理由とは!?
ほとんどの種類がネコ目といっても良さそうなヤモリの仲間ですが、これには理由があり、真っ暗で光の少ない夜間に活動する事を選んだためです。
夜間のヤモリは僅かな光を眼に集めるため眼が大きく、目に入る光の量を調節するためにネコ目に進化したと考えられています。
ペットショップで見かけやすい種類としては、ニホンヤモリやヘラオヤモリ、レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)、クレステッドゲッコー(オウカンミカドヤモリ)などがいますが全てネコ目をしています。
一方でヒルヤモリは読んで字の如く「昼間のヤモリ」。ヤモリでありながら『明るい昼間の世界で生きる事を選んだ種類』なのです。
恐らくヤモリの中ではかなりの異端児です。
明るい世界で生きる事を選んだ結果、夜間のヤモリのように眼に入る光の量を調節したり光を眼に集める必要が無いため、眼は少し小さめになり、ネコ目の機能のほとんどを捨てたとされています。
環境の明暗で多少は瞳孔の大きさは変わりますが、その動きも私達人間とほとんど変わりません。
②大きさと体色について
ヒルヤモリの大きさは小型種であれば10〜13cm前後、大型種であれば30cm前後の大きさです。
余談ですが、化石種は40cmほどの大きさだったそうです。
数多の種類がいる爬虫類達の中でも大きさ的には比較的扱いやすいサイズ感をしていますが、後々ご紹介する特徴により、飼育には注意が必要な種類でもあります。
大きさ自体は他のヤモリでもよく見られますが、ヒルヤモリの最大の特徴ともいえるのが『ド派手な体色』です。
初見の方が見たら、これが自然界にいるヤモリとは思えない派手過ぎて逆に心配になりそうな体色をしています。
ヒルヤモリのほとんどの種類が緑色をベースとしているのですが、さらにそこにオレンジ色の水玉模様が入る種類や脇にクジャクの尾羽を思わせる模様が1つずつ入る種類、背中に金粉をまぶしたような模様が入る種類、どう考えても書道の神が一筆書いただろ!と言いたくなるようなメタリックな水色のラインを持つ種類など、とにかく多彩の一言に尽きます。
⭐ド派手な体色の意味とは?
こんなにもド派手な体色だと目立ってすぐ捕まってしまいそうですが、この体色は生息地ではかなりのカモフラージュ率を誇っているため、森林の中に入ったら見つける事は非常に難しいです。
③気になる性格は?
ヒルヤモリ達の性格はほとんどの場合はかなり陽気です。もう少し詳しくいうと、陽気で好奇心旺盛かつ少し臆病といった感じです。
一部種類は本当に臆病で鮮やかな赤色を錆び色や黒く変色させてレイアウトの陰に隠れてしまう事もあります。
また、大型の種類だと気が強い事もあるためメンテナンスの時に威嚇したりする個体もいます。どうやらケンカには相当の自信があるようです。
基本的には温和な種類が多いため、種類によっては小規模なグループを作って生活をしています。
⭐現地では好奇心旺盛を通り超している!?
好奇心旺盛な種類が多いヒルヤモリですが、現地では好奇心旺盛を通り超している様子が観光客に大人気なのだそうです。
ヒルヤモリは自然界では「捕食される側」寄りなのですが、その割には人間をさほど恐れる事はなく、普通に民家やレストランにやってくる様子が写真などに納められていたりします。
そんな彼らは何が目的なのかというと、民家やレストランのテーブルに置いてあるジャムやゼリー、果物を貰いに来ています。
しかも観光客が自分を見て「喜んでいる」と思っているのか、驚かす要因になるダッシュや急なジャンプをする事なく「レタスじゃなくてジャムちょうだい♪」「そっちのゼリーでも良いよ♪」と皿に近付いて小首を傾げながらお客様にアピールするという徹底ぶり。
この図々しくも可愛らしい様子に、小皿にゼリーやジャムをよそってあげるとペロペロと喜んでスイーツを味わうのです。
⭐実はめちゃくちゃ頭が良い!
ヒルヤモリは他のヤモリと違って視力が良く、空間把握能力も高いです。
さらに、飼育しているとお世話してくれる人や見に来る人などを見分ける事もできるため、ハンドリングの時にその差がハッキリと分かったりします。
⭐メッチャ視線を感じるww
爬虫類専門店や爬虫類にも力を入れているペットショップであれば、見かける機会も意外と少なくないヒルヤモリ。
その中でも「ヨツメヒルヤモリ」「ヘリスジヒルヤモリ」「キガシラヒルヤモリ」はトップクラスに人間観察をしてくる種類だと筆者は感じています。
実際に体験すると分かりやすいのですが、ケージの前に立つと最初はビクッとするものの、すぐに見つめてきたり、指などに寄ってきたりします。
この時真正面から見ようと体勢を変えて壁面を動き回ったり、さらには壁越しに指をペロペロしたりと可愛らしいアピールをしてきます。
④身体能力は?
ヒルヤモリの身体能力はかなり高く、特にウォーミングアップが終わっている個体なんかはダッシュされると相当運動神経や反射神経が良くないと反応できません。
また、ヤモリの仲間らしく指先と尻尾の先にには「趾下薄板」を持っているため、ガラス面でも天井でも登って活動範囲にする事ができます。
尻尾はトカゲやヤモリと同じように自切する事ができるため、敵に襲われると尻尾を切って囮にして安全な所まで一気に逃げる事ができます。
⭐ついたあだ名は「極彩色の忍者」
ヒルヤモリはとっても陽気な性格と鮮やかな体色から人気の高い爬虫類でもあります。
しかし、身体能力がめちゃくちゃに高く、日光から紫外線をたっぷり吸収して万全の状態になったヒルヤモリは元々素早いのにさらに磨きがかかるため、メンテナンスも写真撮影も一苦労なのだそうです。
特にカメラのシャッタースイッチを押した次の瞬間にはカメラの上にいた、近くのレイアウトに移動していたなど、「時飛ばしスタンドの使い手」のような移動をするため、ヒルヤモリの身体能力は爬虫類業界でも広く知れ渡っています。
⭐『趾下薄板』って何なの?
ヒルヤモリに限らずヤモリの仲間のほとんどにある趾下薄板ですが、凹凸の無いガラス面や壁を自由自在に移動できる事から、昔は「指先に吸盤がある」と考えられていた事もありました。
しかし、現在は科学もかなり進歩したため趾下薄板の謎もようやく解決されたのです。
この趾下薄板は目に見えないほどの超微細な毛の集まりであり、「ファンゲルワークス力」という力を利用して張り付いていた事が分かりました。
私達にはツルツルのガラス面に見えても、ヤモリにとっては微細な毛を引っかけられる場所がいくらでもある状態です。
この微細な毛を張り付けると、あまりにも微細過ぎて分子レベルで張り付くらしく、この時に起きる力を利用して自在に歩き回り、凹凸の無い所も活動できるようになったのです。
⑤何を食べているの?
ヒルヤモリは基本的にバッタやコオロギ、セミやチョウチョ、芋虫のような昆虫を食べていますが、大型種となるとさらに子ネズミや鳥の雛や卵を狙う事もあります。
そして、ヒルヤモリの食性として特筆すべきが『超甘党』という事です。
爬虫類の仲間には野菜や果物を食べる種類は確かにいるのですが、リクガメを除いたらかなり限られてきます。
そんな爬虫類界隈でも特にヒルヤモリは甘い果物が大好物です。
これには代謝が良いためすぐに吸収効率が良い果糖を好んでいるという説もあります。
ヒルヤモリは野菜と果物を見せると野菜はそっちのけで、マンゴーやバナナなどの甘い果物を食べに行くほどの甘党です。
⑥大体のお値段はいくら?
一昔前まではヒルヤモリ御三家が1匹あたり約9800〜12000円くらいで販売されていましたが、現在では1匹14800円くらいで販売しているのをよく見かけます。
大型種であるグランディスヒルヤモリで約14800〜24800円、スタンディングヒルヤモリで約24800〜39800円が大体の目安です。
⭐種類によって大分開きがある
前述した種類はかなりポピュラーな種類なのでお値段も比較的手が出しやすいですが、美麗ヒルヤモリ御三家の筆頭とされる『ニシキヒルヤモリ』などは数十万円で取り引きされるため、一概にお手軽な値段とは言い切れません。
2,ヒルヤモリの種類について
カラフルな体色にクリクリの黒目、陽気な性格と魅力たっぷりなヒルヤモリ。
〜小型種〜
①ヨツメヒルヤモリ
大きさは12cmほど。鮮やかな緑色に朱色のスポット、脇に白く縁取られたブラックスポットが1つずつ入る小型種です。
「ヒルヤモリ御三家」の一角で、美しさ、値段、性格の良さから人気が高いです。
②ヘリスジヒルヤモリ
大きさは12〜14cmほどでヨツメヒルヤモリより少しボリュームがあります。
脇に茶褐色のラインが走り、背中に不規則な赤い模様、眉間には赤いライン〜三角形模様が入ります。
また個体差がありますが、メタリックブルーの輝きを持つ個体もいるため選ぶ楽しみがある種類です。
③ヒロオヒルヤモリ
10〜12cmほどの大きさですが、ヨツメヒルヤモリより若干スマートかつ皮膚が繊細です。
お腹側の体色はクリーム色で背中は鮮やかな黄緑に金粉をまぶしたような黄色い細かなスポット、腰と頭部に赤い模様、さらに眼の上には水色のアイシャドーが入るオシャレさんです。
④キガシラヒルヤモリ
蛍光色尽くしのヒルヤモリで大きさは10〜12cmほど。
蛍光イエローの頭部に、首から尻尾の先まで蛍光ブルーと蛍光ホワイトです。さらに脇には黒いラインが入ります。
〜中型種〜
パーカーヒルヤモリ
お腹は真っ白、背中側は鮮やかな黄緑というヒルヤモリの中ではかなりシンプルな種類です。大きさは20cmほど。
〜大型種〜
①グランディスヒルヤモリ
大きさは25〜30cmほど。何種類かいるらしく、それぞれ背中の模様が違うそうです。
一般的には眉間にV字の赤い模様に背中には赤い不規則な水玉が入る種類が見かけやすいです。
②スタンディングヒルヤモリ
ヒルヤモリ界の裏番長ともいえる人気の高い種類です。大きさは28〜33cmほどと、最大クラスの大きさに育ちます。
青みがかった灰色の体色に頭部や少し緑がかるという落ち着いた体色ですが、幼体の頃はミントカラーに赤いシマシマ模様という派手な体色をしている事で有名です。
3,ヒルヤモリの飼育方法について
①ケージについて
爬虫類用の高さのあるケージが扱いやすくてオススメですが、天井がスライド式になっているアクリルケージやプラスチックケースでも飼育する事ができます。
サイズですが、小型種であれば40cmくらいの広さがあれば1〜2匹は飼育でき、ショップでは5〜6匹飼育管理している事もあります。
②ライト
ヒルヤモリは他のヤモリと違い、カメレオンや樹上性トカゲと同じように紫外線が必要です。
③ヒーター
フィルム型ヒーターをケージの底面か側面に張り付けて使うのが主流ですが、ケージ内の温度配分を細かくできる方の中にはホットスポットを設置する場合もあります。
温度配分ですが、昼は25〜30℃、夜は大体22〜24℃くらいで保つようにします。
④レイアウトについて
止まり木や人工観葉植物を使って隠れ家を作りながらレイアウトするとヒルヤモリの表情が見えて楽しいです。
⑤水入れについて
ヒルヤモリは動く水だけでなく止まった水も視認するため、水入れを設置するだけで大丈夫な事が多いです。
心配な方は霧吹きを吹く回数を増やしたり、スポイトで水を飲ませてあげましょう。
⑥給餌について
ヒルヤモリにはコオロギやローチを主食に、シルクワームやミルワーム、爬虫類用か昆虫用のゼリー、果物の果汁をオヤツ程度に与えます。
昆虫系は与える前に必ずガッドローディングを済ませて栄養をつけ、カルシウムパウダーをまぶしてからヒルヤモリに与えるようにしましょう。
また、ヒルヤモリは慣らせば人工飼料も食べてくれるため、虫が苦手な人にとってありがたい種類でもあります。
水でふやかしたペレットタイプの人工飼料も慣らせば食べますが、「レパシー」のような水で練って作るタイプの人工飼料も方が使用率が高めです。
4,ヒルヤモリの繁殖について
ヤモリの仲間は爬虫類の中では比較的繁殖しやすい種類であり、ヒルヤモリにも当てはまります。
中にはお迎えした個体が実は妊娠中のメスで、気付いたら産卵していたという事もあり、まだ飼育に慣れていない時に産卵されると焦りはかなりのものでしょう。
①ヒルヤモリに雌雄判別について
ヒルヤモリはカメレオンのように雌雄差が少ないため、若い個体だとけっこう見分けがつきにくい事が多い種類です。
♠️オスの特徴♠️
- メスより首が太くてぷよっとしている。
- 体つきがメスより太めでガッシリしている。
- 尻尾の付け根にある「クロアカルサック(性器を収納している部分)」により、尻尾の付け根が太くなる。
- お腹側から見ると足の太ももにあたる部分にハッキリと穴が空いたウロコが多数並ぶようになる。
♥️メスの特徴♥️
- オスよりスマートな体型をしており、大きさも若干小さい。
- 首回りがすっきりしている。
- お腹側から見て太ももにあたる部分に穴がハッキリ空いたウロコが無いか少なく、あまり目立たない。
- 尻尾の付け根が太くならない。
また、ショップでヒルヤモリを選んでいる時に太ももだけでなくお腹も見るようにしましょう。
妊娠初期だと判断は難しいですが、大分卵が育っている状態だとお腹がポコッとしていたり、お腹からうっすらと卵が透けて見える事があります。
②卵が生まれたら
ヒルヤモリは他のヤモリと同じように、1回の産卵で2個の丸い卵を産みます。
産む場所にこだわりはあまりないのか、壁面や止まり木に産み付けたり、人工観葉植物の裏に産んだりするため、回収が大変です。
産まれて間もない卵だったり床で産んだ場合は回収しやすいのですが、卵の殻はとても薄いため、無理に剥がさない方が良い場合もあります。
もし、回収しづらい場所に産卵した場合は、穴を開けたプリンカップなどを被せてセロハンテープで固定すると、親から保護する事ができるのでオススメです。
卵を回収できた場合は、孵卵用ケースに「バーミキュライト」や「ハッチライト」を敷き、回収した卵を上下引っくり返さないように慎重に置きます。
③ヒルヤモリの赤ちゃんが生まれたら
孵化を迎えると、ヒルヤモリの赤ちゃんが卵を中から割って誕生します。
ちょっと頭でっかちですが、ほとんど親と同じような姿をしています。
スタンディングヒルヤモリの場合は、見た目は親に似ていても、模様や色が全く違うのでとても興味深いです。
赤ちゃんが生まれたら最初の脱皮を待ちます。赤ちゃんは産まれてから数日で最初の脱皮を行い、ヘソの緒が取れます。
脱皮が終わったら赤ちゃん育成用ケージに移し、お世話開始です。
赤ちゃんヒルヤモリはとても小さいため、餌には「ピンヘッドコオロギ」や「トビムシ」のような小さな虫にうっすらとカルシウムパウダーをまぶしてから与えます。
設置する水入れは器というよりは小皿のように深さがない物が個人的にはオススメです。小皿は水の蒸発が早いので、こまめに水を足すようにします。
もし、器型の水入れを使いたい場合は切れ込みの入っていないペットボトルキャップも使う事ができます。
赤ちゃんヒルヤモリは2cmほどの大きさしかないため、使うケージによっては穴を塞がなければいけませんが、昆虫用メッシュケージを使うと穴を塞ぐ工程を省く事ができるためオススメです。
5,ヒルヤモリの豆知識について
パンサーカメレオンと同じようにマダガスカルに生息しているヒルヤモリには、小さな体に魅力を一杯詰め込まれています。
①脱走の名人!
ヒルヤモリはとにかく素早いため、メンテナンス時に気を抜いていると電光石火で脱走してしまう事があります。
この時のヒルヤモリが最も美しい体色をしているという方もいますが、とりあえず虫取ネットやプラケを駆使して捕獲しましょう。
②メンテナンスは主にガラス面
ヒルヤモリは壁チョロ系ヤモリなので、カメレオンとは違い排泄物を壁でする事があり、しかも糖分多めだったりするとけっこう汚れがこびりつくため、壁面は特にしっかり汚れを取る必要があります。
③実はベタ慣れになる♪
脱走が得意なヒルヤモリですが、元々視認能力や学習能力が高いため、地道にお世話をしているとベタ慣れにする事ができます。
ゼリーを指やマドラーで与えたり、手の平で餌をあげていると次第に警戒心が無くなってきて、メンテナンス時もあまり逃げ回らなくなります。
むしろ、手に慣れているため片手に乗って飼い主の掃除が終わるのを待つほどになるのです。
さらには頭や背中、首を撫でても抵抗せず、手の平でとろけるようになります。
④強く掴まないで!
上手く慣らせばベタ慣れになってくれるヒルヤモリですが、それでも突然ダッシュする事があります。
この時焦って体や尻尾を強く掴んでしまうと自切してしまったり、皮膚をズルリと脱いで痛々しい見た目になってしまうため注意が必要です。
⑤サークルオブライフ
マダガスカルで暮らすカメレオンとヒルヤモリですが、この2種の関係は天敵と逃げる者です。
どちらも民家に来る事がありますが、カメレオンはお腹が空いているとヒルヤモリを捕食する事があります。
しかし、ヒルヤモリも一方的に捕食される訳ではなく、尻尾や皮膚を囮にして逃げたり、自慢のスピードでカメレオンから逃げおおせる事もあります。
また、産まれたばかりの小さなカメレオンはグランディスヒルヤモリなどの大型種が天敵となるため、その時ばかりは必死に逃げ回ります。
⑥実は全種類保護動物
ヒルヤモリはペットとして輸入がありますが、ヒルヤモリの全種がサイテスⅡ種に含まれている希少動物です。
⑦何故かハワイにもいる!?
ヒルヤモリは国際的に保護されている種類ではありますが、何故かハワイに帰化している個体もいるそうです。
特に被害はないようですが、強いて言えば故郷であるマダガスカルと同じようにレストランや民家に遊びに来る事くらいとされています。
まとめ
今回はカメレオンと同じようにマダガスカルに生息するヤモリの仲間・ヒルヤモリについて皆様にご紹介させていただきました。
ヒルヤモリはカメレオンのように色を激しく変えたりゆっくりした動きではありませんが、とても魅力に溢れた爬虫類であり、個人的にカメレオンと並ぶマダガスカルの代表的な爬虫類と思います。
また、実際飼育をした事がありますが、非常に賢いヤモリです。人の行動や様子をよく観察しており、よく慣れていると差し出した指先に乗ってきてそのまま手の平でくつろいでくれたりもしました。