皆様おはこんばんにちは🦎カメレオン暮らしのあおいです。
今回は日本の宝、ニホンイシガメ(Mauremys japonica)の完全飼育ガイドをお届けします。日本固有種でありながら、現在は環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されている、とても貴重なカメさんです。
かつては田んぼや小川で当たり前のように見られた身近な存在でしたが、外来種との競合や水辺環境の変化で個体数が激減し、いまやペットとして人工繁殖された個体(CB個体)を大切に飼育するスタイルが基本になっています。
「日本のカメを日本人として丁寧に育てたい」――そう思って迎える方が多いだけあって、飼育者の方々は本当に愛情深く、長く付き合っている印象があります。我が家のぺぺ君(カメレオン)と並んでバスキングしている知人のイシガメさんを見ると、なんだかほっこりするんですよね。
そこで今回は、在来種としての価値を踏まえた飼育の心構えから、水槽セッティング・餌・UVB・冬眠まで、初心者の方でも安心して30年以上付き合える内容にまとめました。
📝 この記事でわかること
- ニホンイシガメの基本情報と日本固有種としての価値
- 準絶滅危惧種としての飼育上の心構え(CB個体選び・放流厳禁)
- クサガメ・リクガメとの違いを比較表で確認
- 水槽サイズ・水深・ろ過装置・UVBの選び方
- 雑食性に応じた餌の与え方と頻度
- 浮島・陸場づくりと冬眠管理のコツ
📌 法規制について
本記事の内容は2026年5月時点の情報です。ニホンイシガメは地域によって野生個体の捕獲が条例で規制されている場合があり、また外来種扱いされる地域もあります。最新情報は環境省や各自治体の公式サイトでご確認ください。
ニホンイシガメの基本情報
まずはニホンイシガメがどんなカメさんなのか、基本データから整理していきましょう。学名Mauremys japonicaが示す通り、日本にしか自然分布しない固有種です。本州・四国・九州とその周辺の島々に棲み、北海道や沖縄には自然分布していません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Mauremys japonica |
| 分類 | イシガメ科イシガメ属 |
| 分布 | 日本固有種(本州・四国・九州) |
| 最大甲長 | オス約15cm/メス約20〜22cm |
| 寿命 | 30〜40年(長寿種) |
| 価格 | 1万〜5万円程度 |
| 生活様式 | 半水棲・活発 |
| 食性 | 雑食(人工飼料・水草・甲殻類・小魚) |
| バスキング温度 | 32℃前後 |
| 保全状況 | 環境省レッドリスト・準絶滅危惧(NT) |
甲羅は黄褐色から茶褐色で、後縁がギザギザに尖っているのが特徴です。幼体は丸っこくて愛らしく、昔から「ゼニガメ」の名で親しまれてきました(現在ペットショップで売られているゼニガメの多くはクサガメの幼体ですが、本来のゼニガメはニホンイシガメの幼体です)。
ポイント:オスは小さく、メスは大きく育つ性的二型がはっきりしている
在来種としての価値と準絶滅危惧種としての心構え
ニホンイシガメは日本にしかいない、世界に誇る在来カメです。しかしその個体数は年々減少しており、2020年の環境省レッドリスト改訂で準絶滅危惧(NT)に指定されました。
原因はいくつかあって、田んぼ・水路の三面コンクリート化による生息地の消失、外来種であるアカミミガメ(ミドリガメ)との競合、そしてアライグマなどによる卵や幼体の捕食、密猟などが複合的に影響していると言われています。
飼育者として守りたい3つの約束
飼育を始める前に、絶対に意識しておきたいことを3つ挙げます。
合言葉:「捕らない・逃がさない・最後まで」
1. 野生個体の安易な捕獲は避ける
地域によっては条例で捕獲が禁止・制限されています。学術調査でない限り、ペット流通している人工繁殖個体(CB個体)を選びましょう。
2. 絶対に放流しない
飼育個体を野外に放すことは厳禁です。地域固有の遺伝的多様性を壊したり、感染症を野生に持ち込む恐れがあります。
3. 30年付き合う覚悟を持つ
寿命は30〜40年。お子さんが生まれてから独立するくらいの長さです。途中で飼えなくなった場合は責任を持って引き取り先を探してください。
📌 CB個体(人工繁殖個体)を選ぼう
信頼できる爬虫類専門店・即売会で「国内CB」「ブリーダー繁殖個体」と明記された個体を選びましょう。野生由来(WC)と書かれた個体は出所をきちんと確認してください。
クサガメ・リクガメとの違い
「カメを飼いたいけど、ニホンイシガメ・クサガメ・リクガメ、どれが自分に合う?」と迷う方は多いです。簡単に比較してみましょう。
| 項目 | ニホンイシガメ | クサガメ | リクガメ(ヘルマン等) |
|---|---|---|---|
| 生活様式 | 半水棲 | 半水棲 | 陸棲 |
| 水槽 | 必要(陸場併設) | 必要(陸場併設) | 不要(陸ケージ) |
| 最大甲長 | 15〜22cm | 20〜30cm | 15〜25cm |
| 食性 | 雑食 | 雑食 | 草食 |
| 性格 | 温和・シャイ | 人慣れしやすい | 穏やか |
| 水質管理 | ★★★(敏感) | ★★(やや強い) | 不要 |
| 在来性 | 日本固有種 | 外来説あり | 外国産 |
イシガメは水質悪化に弱く、皮膚病(水カビ病)を起こしやすいため、3種の中では水管理がもっとも気を遣うタイプ。逆にリクガメは水入れだけで済むので、水換えの手間は少ないです。
飼育環境(水槽)の作り方
ニホンイシガメは半水棲なので、水場と陸場の両方を備えた水槽が必須です。水中で泳ぎ、上陸して甲羅干しをする――このサイクルを毎日繰り返します。
水槽サイズの目安
サイズは「横幅は甲長の5倍、奥行きは3倍」が目安と言われています。具体的には以下の通りです。
| 甲長 | 推奨水槽サイズ | 水深目安 |
|---|---|---|
| 幼体(〜5cm) | 30〜45cm水槽 | 5〜10cm |
| 中型(10cm前後) | 60cm水槽 | 10〜15cm |
| 成体(15cm以上) | 75〜90cm水槽 | 15〜25cm |
水深の決め方
水深は甲羅の高さの2倍以上、ただし上陸場には必ず届く高さにします。深すぎると溺れるリスク、浅すぎると泳ぐ楽しみが減るので、15〜25cmを目安に調整してください。
幼体期は溺水のリスクが高いので、最初は5〜10cmの浅瀬から始めて少しずつ慣らすのが安全です。
目安:水深は甲長×1〜1.5倍を上限に
レイアウトの基本
底砂は無くてもOKですが、敷くなら誤飲しない大きめの川砂利や、ベアタンク(底砂なし)が掃除しやすくおすすめです。流木や石組みは可ですが、脱走対策で水面から水槽の縁まで20cm以上は確保してください。イシガメは意外と上手に登りますよ。
ろ過装置の選び方
ニホンイシガメは水質悪化に敏感な種類です。雑食でフンも多く、餌の食べ残しもすぐに水を汚すので、ろ過装置はマストアイテム。
フィルターの種類
| タイプ | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 外部フィルター | ろ過能力◎・静音・水深浅くてもOK | ★★★★★ |
| 外掛けフィルター | 設置簡単・水深選ばず・コスパ◎ | ★★★★ |
| 投げ込み式 | 幼体向け・補助的 | ★★★ |
| 上部フィルター | 水深が高くないと使えない | ★★ |
水深を浅めにとるイシガメ飼育では、外部フィルターか外掛けフィルターが王道。水流が強すぎると体力を消耗するので、排水口にスポンジを噛ませるなどして調整してください。
水換えの頻度
ろ過装置をつけていても、週に1回は1/3〜半分の水換えを推奨します。月に1回は全換水&水槽内の掃除を。フンや食べ残しは見つけ次第スポイトで取り除く習慣をつけましょう。
合言葉:見た目より早めに水換え
水質管理のコツ
イシガメ飼育で皮膚病の代名詞といえば水カビ病。白っぽい綿のようなものが甲羅や四肢につく病気で、進行すると壊死します。
予防の基本は「水を清潔に保つ」「陸場でしっかり乾かす」「適切な水温を保つ」の3点。逆に言うと、これさえ守れば普通の水道水(カルキ抜きしたもの)で問題ありません。
水温は通年22〜26℃を目安に、ヒーター(オートヒーター推奨)で管理。冬眠をさせない場合は水中ヒーターで25℃前後をキープしてあげてください。
餌(雑食性)の与え方
ニホンイシガメは完全な雑食。野生では水生昆虫・甲殻類・小魚・水草・果実までなんでも食べます。飼育下では栄養バランスのとれた人工配合飼料を主食にしましょう。
主食と副食
主食:水棲ガメ用の人工配合飼料(沈下性/浮上性)
副食(週1〜2回):冷凍赤虫、乾燥エビ、小魚、ミミズ
たまに:水草(アナカリス・マツモ)、無農薬の野菜(小松菜・チンゲンサイ)
給餌の頻度・量
| 成長段階 | 頻度 | 量の目安 |
|---|---|---|
| 幼体(1歳未満) | 1日1〜2回 | 5分で食べきる量 |
| 亜成体 | 2日に1回 | 頭の大きさ程度 |
| 成体 | 2〜3日に1回 | 頭の大きさ程度 |
与えすぎると肥満や甲羅変形の原因になります。「ちょっと足りないかな?」くらいで切り上げるのがコツ。食べ残しはすぐに取り除いてください。
ポイント:餌は別容器で与えると水を汚しにくい
UVB(紫外線ライト)とバスキング
カメにUVB(紫外線B波)は絶対に必要です。UVBを浴びることで皮膚でビタミンD3が生成され、カルシウム代謝を保てます。不足するとクル病(甲羅変形・骨軟化症)を引き起こし、最悪命に関わります。
2種類のライトを使い分ける
イシガメ飼育に必要なライトはUVBライトとバスキングライト(保温球)の2種類。
| 役割 | 推奨製品例 | 点灯時間 |
|---|---|---|
| UVB(紫外線) | レプティサン5.0、ナチュラルライトUVB等 | 8〜12時間 |
| バスキング(熱) | スポット球50W〜75W | 8〜10時間 |
バスキングスポットの表面温度は30〜32℃を目安に。距離が近すぎると火傷、遠すぎると体温が上がらないので、温度計で計測しながら高さを調整してください。
UVBライトは半年〜1年で交換
UVBライトは見た目が点灯していてもUVBは弱まる消耗品です。製品にもよりますが、6ヶ月〜1年で交換が目安。長く使い続けるとクル病の原因になるので注意。
ポイント:UVBは半年〜1年で要交換
浮島・陸場の作り方
イシガメは毎日水から上がって甲羅干しをするカメなので、しっかりした陸場が必要です。陸場が不十分だと水カビ病・甲羅腐敗症・呼吸器感染のリスクが上がります。
陸場の3条件
1. 全身が乾かせる広さ:体長の1.5倍以上
2. 体が完全に水から出る:濡れない状態を作れること
3. 登りやすいスロープ:滑らない素材で角度をつける
市販の浮島は手軽で良いですが、成体の体重を支えきれない製品もあるので、サイズと耐荷重をよく確認してください。流木やレンガ、PVCシートで自作する方も多いです。
バスキングスポットの位置
陸場の真上にUVB+バスキングライトを設置。陸場表面で30〜32℃、外気は25℃前後の温度勾配を作ります。温度を一律にせず、暖かい場所と涼しい場所を作るのが爬虫類飼育の鉄則ですね。
ポイント:陸場・水中・隅っこ、温度のグラデーションを作る
冬眠について
ニホンイシガメは温帯性の在来種なので、本来は冬眠するカメです。屋外飼育や寒冷地では自然に冬眠に入りますが、室内飼育で初心者の方は無理に冬眠させず、保温して越冬させるのが安全です。
冬眠させる場合の条件
冬眠は失敗するとそのまま亡くなってしまうリスクがあるため、以下の条件をすべて満たす個体だけにしましょう。
- 甲長10cm以上の健康な成体
- 秋までにしっかり太っている
- 寄生虫・感染症のチェック済み
- 5〜10℃で安定する場所が確保できる
水温が15℃を下回ると徐々に絶食させ、5〜10℃で約3〜4ヶ月過ごします。幼体・病気の個体・初飼育の年は冬眠させないのが安心です。
越冬(保温)の場合
水中ヒーター+陸場の保温球で水温25℃をキープすれば通常通り活動します。むしろ管理しやすく、餌食いも安定するので、初心者にはこちらをおすすめ。
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よくある質問(FAQ)
Q1. ニホンイシガメは何歳まで生きますか?
飼育下では30〜40年生きると言われています。長寿のため、家族の一員として長く付き合える反面、最後までお世話できる環境かじっくり考えてから迎えましょう。
Q2. クサガメと見分け方は?
イシガメは甲羅の後縁がギザギザ、体色は黄褐色〜茶褐色で全体的に明るめ。クサガメは甲羅にキール(縦の隆起)が3本あり、首に黄色や緑のラインが入ります。判断に迷ったら専門店で確認してもらうのが確実です。
Q3. 値段はどのくらいですか?
1万〜5万円程度が相場と言われています。ただし血統や柄、サイズによって変動します。CB(人工繁殖)個体である証明書付きの個体を選んでくださいね。
Q4. 川で捕まえてきたイシガメを飼ってもいいですか?
地域の条例で捕獲が禁止・制限されている場合があります。また、野生個体は寄生虫を持っている可能性も高く、生態系の保全観点からも控えるのが望ましいです。ペットショップでCB個体を購入しましょう。
Q5. 多頭飼育はできますか?
可能ですが、性別や個体差によってはケンカや交尾ストレスが起きやすいです。基本は単独飼育、どうしても複数飼う場合は十分に広いスペースと隠れ家を用意してください。
Q6. 水カビ病になったらどうすれば?
初期なら陸場で完全乾燥+バスキングを増やすことで自然治癒する例もありますが、進行している場合は爬虫類対応の動物病院へ。自己判断で薬を使うと悪化することがあります。
Q7. 屋外飼育はできますか?
本来温帯性なので屋外飼育に向きますが、脱走防止と外敵(カラス・アライグマ・猫)対策、夏の高水温対策が必須です。屋外で繁殖した場合も、絶対に野外に逃さないでください。
Q8. 餌を食べないときは?
水温が低すぎる、ストレス、便秘、病気など原因はさまざま。まずは水温・UVB・温度勾配を見直し、改善しないなら早めに獣医さんへ相談を。
まとめ
ニホンイシガメは日本の宝とも言える固有種で、その姿には日本の里山風景が重なる、味わい深い存在です。準絶滅危惧種という現実を踏まえると、飼育する一人ひとりが「最後まで大切に育てる」「絶対に放流しない」という当たり前を守ることが、種の保全につながると言われています。
飼育のポイントをおさらいすると、
- CB個体を選ぶ・絶対に放流しない
- 水深15〜25cm+広い陸場の半水棲レイアウト
- 外部または外掛けフィルター+週1の水換え
- UVB+バスキング32℃で甲羅と健康を守る
- 雑食バランス、与えすぎ注意
- 初心者は無理に冬眠させず保温越冬
30年付き合える素敵な相棒として、ぜひ日本のカメさんとの暮らしを楽しんでくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました🦎
あなたの素敵な爬虫類ライフの一助になれたら嬉しいです🌱












