皆様おはこんばんにちは🦎カメレオン暮らしのあおいです。
今回は、リクガメ入門種として絶大な人気を誇るヘルマンリクガメ(Testudo hermanni)の飼育について、カメレオン飼育者である私の視点も交えながらじっくりと解説していきます。
「リクガメって難しそう」「カメレオンと比べてどう違うの?」「冬眠ってさせるの?」など、いざ飼ってみようと思うと疑問は尽きないものですよね。私自身、ぺぺ君(カメレオン・ベーメ)を迎える前にリクガメも検討候補に入れていた時期があり、知人のヘルマン宅へお邪魔して観察させていただいた経験があります。
そこで今回は、ヘルマンリクガメをこれから迎えたい方、検討中の方に向けた完全飼育ガイドとして、基本情報から日々のお世話、健康管理、そして冬眠まで網羅的にご紹介していきます。
📝 この記事でわかること
- ヘルマンリクガメの基本情報(学名・大きさ・寿命・価格・CITES)
- カメレオンと比較したリクガメ飼育の違い
- 必要な飼育環境(ケージ・ライト・温度・湿度)
- 床材の選び方と注意点
- 草食メインの正しい餌のあげ方
- 健康管理のポイントとよくある病気
- ヘルマン特有の「冬眠」の取り扱い方
📌 法規制について
本記事の内容は2026年5月時点の情報です。ヘルマンリクガメはCITES(ワシントン条約)附属書IIに掲載されており、輸入・販売には合法的な書類が必要です。最新の法規制は環境省・経済産業省の公式サイトでご確認ください。
ヘルマンリクガメってどんなカメ?基本情報を総まとめ
まずはヘルマンリクガメの基本プロフィールから見ていきましょう。「初心者向けリクガメ」として紹介されることが多いこの種ですが、その理由はサイズが手頃で温和、草食でシンプル、寒さにもある程度強いという三拍子そろった飼いやすさにあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Testudo hermanni |
| 分類 | カメ目リクガメ科チチュウカイリクガメ属 |
| 原産地 | 南欧(イタリア・スペイン・バルカン半島など) |
| 大きさ(成体) | 15〜20cm(亜種により最大25cm) |
| 寿命 | 50〜80年(飼育下) |
| 価格 | 3〜10万円(亜種・サイズで変動) |
| 食性 | 草食(葉野菜・野草が中心) |
| CITES | 附属書II(合法輸入・販売証明必須) |
ここで特に強調しておきたいのが、寿命が50〜80年と非常に長いということです。子どもの頃にお迎えすれば、その子と一緒に大人になっていくイメージ。場合によっては飼い主より長生きすることもあるため、お迎え前にご家族で「もしものとき誰が引き継ぐか」を話し合っておくことをおすすめします。
ヘルマンリクガメの3亜種
ヘルマンリクガメは大きく分けて以下の3亜種に分類されているそうです。
- ニシヘルマンリクガメ(T. h. hermanni):イタリア・スペイン産。最大15cm前後と小型で、甲羅の模様がコントラスト強め。
- ヒガシヘルマンリクガメ(T. h. boettgeri):バルカン半島産。最大25cmまで成長、流通の主流。
- ダルマチアヘルマンリクガメ(T. h. hercegovinensis):クロアチア沿岸の希少な亜種。
日本のショップで見かけるのはほとんどがヒガシヘルマンリクガメです。ベビーで売られている子は同じくらいの大きさに見えても、亜種によって最終サイズが大きく変わるので、購入時に必ず確認しましょう。
CITES附属書IIへの掲載という重要な意味
ヘルマンリクガメはワシントン条約(CITES)附属書IIに掲載されています。これは「現在絶滅の恐れはないが、取引の規制をしないと絶滅の恐れがある種」という分類。
つまり、密輸個体や違法持ち込み個体を購入してしまうと、飼い主側も法律違反に問われる可能性があります。必ず信頼できる専門ショップでCB(飼育下繁殖個体)を購入し、書類関係をきちんと確認しましょう。
ポイント:CITES II掲載=合法書類のあるショップで買う。安すぎる個体は要注意。
ヘルマンの生息地と性格・カメレオンとの違い
ヘルマンリクガメは南ヨーロッパの地中海沿岸に生息しています。乾燥した草原、低木林、オリーブ畑のようなオープンな環境が彼らのフィールド。日本の本州の気候とも比較的近く、夏は暑く冬は冷え込む――この四季感覚が「冬眠」という習性に繋がっています。
性格はリクガメの中でも特に温和でフレンドリーと評判です。慣れてくれば手から葉っぱを食べてくれるようになりますし、毎日決まった時間に決まった場所で日光浴する姿は、まるで小さな哲学者のような風格があります。
カメレオン飼育者から見たヘルマンリクガメの違い
カメレオンを飼っている方がリクガメに興味を持つケース、実は結構多いんです。私もよく聞かれるので、両者の違いを表にまとめてみました。
| 比較項目 | ヘルマンリクガメ | カメレオン(エボシ等) |
|---|---|---|
| 生活様式 | 地表性 | 樹上性 |
| 食性 | 草食メイン | 昆虫食メイン |
| 寿命 | 50〜80年 | 5〜10年 |
| 必要なケージ | 底面積重視(90×45cm〜) | 高さ重視(45×45×60cm〜) |
| 触れ合い | 慣れる・人懐っこい | 基本ハンドリング不可 |
| 水の与え方 | 水入れ+温浴 | 霧吹きで葉を伝わせる |
| 冬眠 | あり(任意) | なし |
こうしてみると、同じ爬虫類でも飼育のアプローチが全く違うことが分かりますね。カメレオン飼育者なら「UVB必須」「温度勾配の重要性」という基礎は身についているので、リクガメ飼育のスタートラインに立つのは早いはず。逆に、長寿命とハンドリング可能という点はカメレオンにはない魅力です。
ヘルマンリクガメの飼育環境を整えよう
ここからは具体的な飼育環境の作り方を解説していきます。リクガメ飼育の成否は初期セッティングで8割が決まると言っても過言ではありません。
ケージの大きさ
ヘルマンリクガメは底面積を広く使う動物です。最低でも90×45cm(成体)、できれば120×60cm以上の広さを確保したいところ。ベビー期は60cmケージでも一時的にOKですが、成長は意外と早いので将来を見越して大きめを準備するのが◎。
カメレオン用ケージ(高さ重視のスクリーンケージ)はリクガメには不向き。リクガメは横長で、なおかつ通気性と保温性のバランスが取れる木製・アクリル製ケージがおすすめです。
ライト類(UVB・バスキング)
リクガメ飼育で絶対に妥協してはいけないのがライト類です。野生のヘルマンリクガメは地中海の強い日差しを浴びて暮らしているため、紫外線(UVB)と熱(バスキングライト)の両方が必要不可欠。
| ライトの種類 | 役割 | 設置のポイント |
|---|---|---|
| UVBライト | 骨や甲羅形成に必須のビタミンD3合成 | 10.0番手、6〜10ヶ月で交換 |
| バスキングライト | 体温を上げて消化・代謝を促進 | 局所32〜35℃、火傷防止のメッシュ推奨 |
| 夜間用ヒーター | 夜間の保温(冬季) | セラミックヒーター・パネルヒーター |
ライトは朝点灯〜夜消灯のタイマー管理が基本。日光のリズムを再現することで、リクガメの体内時計が整います。
温度・湿度の管理
ケージ内の温度は温度勾配(グラデーション)を作ることが重要です。
目安:バスキングスポット 32〜35℃ / クールサイド 24〜28℃ / 夜間 18〜22℃ / 湿度 40〜60%
湿度は地中海沿岸の気候に倣って低めキープがベスト。日本の梅雨〜夏は湿度が上がりすぎないよう、除湿や通気を工夫しましょう。逆に冬の乾燥しすぎも甲羅の状態を悪くするので、温浴で水分補給するのが効果的です。
床材選びはヘルマン飼育の重要ポイント
床材は地味に思えて、実は誤飲・湿度コントロール・歩行性すべてに関わる超重要アイテムです。リクガメ飼育の成否を分けるポイントの一つと言ってもいいでしょう。
おすすめの床材
- ヤシガラ土(ココチップ):保湿性◎、見た目自然、最もポピュラー
- バークチップ:歩行性◎、湿度低めで管理しやすい
- 赤玉土+ヤシガラのブレンド:玄人好みの組み合わせ
- 新聞紙・ペットシーツ:ベビー期や検疫時の応急処置に
避けたい床材
注意:ヒノキマット・松系チップ・ウッドシェイブ(針葉樹由来は呼吸器疾患のリスク)
また、サラサラの砂や細かい砂利は誤飲事故に繋がる可能性があるので避けたほうが無難です。我が家のぺぺ君もカメレオン用の床材選びで失敗したことがあるので、初心者の方ほど信頼できる専門ショップで相談するのがおすすめ。
床材の交換頻度
糞尿で汚れた部分は毎日スポット清掃。全交換は1〜2ヶ月に1回を目安に。汚れたまま放置すると寄生虫や雑菌の温床になるので、清潔さが何よりも大事です。
ヘルマンリクガメの餌は基本「草食」
ヘルマンリクガメの食事は、葉野菜と野草を中心とした草食が原則です。動物質や果物の与えすぎは消化器・代謝のトラブルを招くため、慎重にバランスを取りましょう。
主食におすすめの葉野菜
- 小松菜(カルシウム豊富で主食向き)
- チンゲンサイ
- モロヘイヤ
- 水菜
- サニーレタス(葉先のみ)
- パセリ(少量)
野草もたっぷり
本来ヘルマンリクガメはタンポポ・オオバコ・クローバー・ハコベなどの野草を食べて生きています。除草剤の心配がない場所で採取するか、ペット用の野草を購入するのがおすすめ。野菜だけよりも繊維質と栄養バランスが整います。
避けたい食材
注意:ホウレンソウ(シュウ酸過剰)・ネギ類・キャベツの大量給餌・果物の過多・動物性タンパク質
シュウ酸を多く含む野菜(ホウレンソウ・タケノコ等)はカルシウム吸収を阻害します。果物は嗜好性が高くハマりがちですが、糖分過多で消化器バランスを崩すので月に数回のおやつ程度に留めましょう。
給餌の頻度と量
| 成長段階 | 頻度 | 量の目安 |
|---|---|---|
| ベビー期(〜1年) | 毎日2回 | 食べきる量 |
| 幼体〜亜成体(1〜3年) | 毎日1回 | 頭の倍ぐらいの体積 |
| 成体(3年以上) | 2日に1回 | 甲長分くらい |
カルシウム剤は週2〜3回、UVBが弱まりがちな冬は毎回パウダー添加でもいいくらい。ビタミン剤は月1〜2回程度の頻度が目安と言われています。
健康管理:ヘルマンリクガメがかかりやすい病気
長寿命のヘルマンリクガメだからこそ、日々の健康観察と早期発見が長く付き合うコツ。代表的なトラブルを把握しておきましょう。
代表的な病気
- クル病・代謝性骨疾患(MBD):UVB不足・カルシウム不足。甲羅の変形や歩行困難。
- 結石症:水分不足・高タンパク食。慢性的な食欲低下。
- 呼吸器感染症:低温・湿度管理失敗。鼻水や口呼吸が兆候。
- 甲羅腐れ(甲羅の細菌・真菌感染):高湿度や不衛生な環境で発症。
- 寄生虫:野生個体や輸入個体に多い。検便で確認可能。
毎日の健康チェックポイント
合言葉:「目はパッチリ・鼻は乾燥・甲羅ピカピカ・うんち定期的」
- 目が腫れていないか、しょぼついていないか
- 鼻水・くしゃみがないか
- 甲羅にシミ・剥がれ・カビがないか
- 食欲・水分摂取の変化
- 糞便の色・形・頻度
温浴のすすめ
週1〜2回、35℃前後のぬるま湯で15〜20分の温浴をしてあげると、水分補給と排泄促進に効果的。特に冬場は乾燥しがちなので、温浴で保湿することが結石予防に繋がります。
動物病院の確保
カメレオンと同じく、爬虫類診療OKの動物病院を必ず事前にチェックしておきましょう。何かあってから探すのでは間に合わないこともあります。
ヘルマン特有!冬眠の取り扱い方
ヘルマンリクガメ最大の特徴の一つが「冬眠(ハイバネーション)」です。地中海原産でも冬は冷え込むため、自然下では数ヶ月間冬眠して春を待ちます。飼育下でも冬眠させるかどうかは飼い主の選択になります。
冬眠させる?させない?
結論から言えば、初心者は無理に冬眠させなくてOK。冬眠は健康な成体(3歳以上)の特権で、痩せている個体・幼体・体調不良の個体を冬眠させるとそのまま目覚めないリスクがあります。
合言葉:「迷ったら冬眠させない」が安全運転の極意
冬眠させない場合(加温越冬)
多くの飼育者が選択するのは加温越冬です。冬季もバスキング・UVB・夜間ヒーターでケージ内を保温し、活動を続けさせます。電気代はかかりますが、安全度はピカイチ。
冬眠させる場合の手順
もし冬眠にチャレンジするなら、以下のステップを守りましょう。
- 2週間の絶食期間を作り、消化器を空にする(10〜11月)
- 温浴で完全排便させ、水分のみ与える
- 温度を1週間ごとに5℃ずつ徐々に下げる
- 最終的に5〜10℃の冷暗所で2〜3ヶ月静置
- 定期的に体重・状態をチェック(10%以上減ったら覚醒)
- 春に向けて段階的に温度を上げて起床
冬眠中のNG
- 気温の急変動(5℃以下になっても凍結はNG)
- 体重チェックの怠り
- 覚醒後すぐに大量給餌
正直、初めてのヘルマン飼育者にとって冬眠はハードルが高いテクニックです。獣医や経験者の指導なしでチャレンジするのは控えめにし、まずは加温越冬で1〜2年慣れてからでも遅くありません。
関連記事
カメレオン・他爬虫類との比較や周辺情報はこちらの記事も参考になります。
ヘルマンリクガメ飼育に役立つアイテム
FAQ前にもう一度、ヘルマン飼育に欠かせない実用アイテムをまとめます。初期投資はかかっても、結果的に長寿命で長く付き合えるのがリクガメ飼育の魅力。賢く選んで揃えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ヘルマンリクガメは初心者でも飼えますか?
はい、リクガメの中では初心者向けの代表種と言われています。ただし、ライト・温度・餌・寿命の長さといった基本要素を理解した上でお迎えすることが前提。「とりあえず可愛いから」だけでお迎えすると後悔する可能性があるので、事前学習をしっかりとどうぞ。
Q2. 一般家庭の室温だけで飼えますか?
残念ながら難しいです。UVBライトとバスキングライトは必須。室温だけでは紫外線による骨形成・代謝の活性化ができず、ほぼ確実にクル病や代謝性疾患を発症します。「太陽の代わりになる照明」と思って準備しましょう。
Q3. ヒガシヘルマンとニシヘルマン、どちらがおすすめ?
流通量・価格・飼育情報の蓄積から見るとヒガシヘルマンが入門向け。ニシヘルマンは小型でコレクター人気がありますが、入手難度・価格ともに高めです。
Q4. ハンドリングしても大丈夫ですか?
慣れた個体なら短時間のハンドリングは問題ない子も多いそうです。ただし、リクガメにとってもストレスにはなるので1日10〜15分以内に留め、頻繁に持ち上げすぎないこと。慣れる前から無理矢理触ると逆効果。
Q5. 多頭飼育はできますか?
オス同士は激しいケンカになる可能性が高いので避けたほうが無難。メス同士・オス1メス複数なら可能なケースもありますが、相性問題は個体差が大きいので、ケージを分けられる準備をしてからチャレンジしましょう。
Q6. お留守番はどのくらいまで可能?
給餌間隔が広いリクガメなら1泊2日くらいまでなら可能。長期不在時は自動給餌は難しいので、信頼できる人に世話をお願いするか、ペットホテル(爬虫類対応)を活用しましょう。
Q7. 子どもと一緒に飼っても大丈夫?
性格が温和なので比較的お子さんとの相性◎。ただし、サルモネラ菌対策で触った後の手洗いを徹底、温度管理やライト設定など重要なお世話は必ず大人が責任を持つようにしてください。
Q8. 寿命50〜80年ってどう備えればいい?
これは本当に大切な問題です。家族と「将来引き継ぐ人」を相談しておくこと、可能であれば爬虫類飼育に詳しい知人や保護団体とのネットワークも作っておきましょう。我が家でもぺぺ君の長期計画は常に意識しています。
まとめ
ヘルマンリクガメは、穏やかで人懐っこく、長く付き合える素敵な家族になってくれる素晴らしい爬虫類です。CITES附属書II種として責任ある入手と、UVB・温度管理・草食メインの食事、そして長寿命という事実をしっかり受け止めることができれば、初心者の方でも十分にお迎え可能。
カメレオン飼育で培った「光と温度の管理」「観察力」「責任感」は、リクガメ飼育にもそのまま活きます。違うアプローチで爬虫類の世界を広げたい方には、まさにうってつけの種ではないでしょうか。
あなたの飼育ライフが、ヘルマンリクガメと共にゆったりと豊かに続いていきますように。困った時はかかりつけの獣医さんと爬虫類仲間を頼りつつ、何十年もの旅を楽しんでくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました🦎
あなたの素敵な爬虫類ライフの一助になれたら嬉しいです🌱












